先日、ある縁で明治〜昭和に掛けて活躍された洋画家のアトリエを見に行く事が出来た。

建物は明治からの物で木造のアトリエ2室に居住スペースを増設した作りになっていてそれぞれの部屋に趣があって素晴らしい!!

そのアトリエの主は、
岡田三郎助(1906)
岡田三郎助(おかださぶろうすけ)1869年(明治2年)- 1939年( 昭和14年)
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あやめの衣 1927年

自分は日本の洋画家とかには精通していないが、この方オイラでも知ってる黒田清輝氏に師事し、第1回目の文化勲章を授かる当時を代表する有名画家の一人です!!スゲ〜〜〜!!
岡田三郎助と妻_八千代
岡田三郎助さんと奥様の岡田八千代さん(パリで)

さらに、奥様の岡田八千代さんは小説家、劇作家として活躍し、お兄さんはこれまたオイラでも名前を聞いた事ある小山内薫さん。この方は演劇界で有名な方で銀座に初めて出来たカフェ(1911年)にも関わった事で有名!!店の名前を命名したそうで、その名も
「カフェープランタン」
1911年(明治44年)に銀座に既にプランタンって名があったとは!!スゲ〜〜〜!!
常客には
森鴎外 永井荷風北原白秋 谷崎潤一郎 岡本綺堂 島村抱月 菊池寛  
スゲ〜〜〜!!

アトリエに話を戻すと、そのアトリエはのちにお弟子さんの辻永(つじひさし)さん1884年(明治17年)-1974年(昭和49年)【この方も凄い人で、「日展の法王」と呼ばれる程の方だそうだ!】が住まれていてアトリエ内には岡田三郎助さんから受け継いだと思しき家財の一部や蔵書や等が所狭しと有り(重要な物は既に倉庫に移してあるそうだ)その部屋の内装、家具の調和は見事で明治にこんなモダンな!!と目を見張るばかり。

高い三角天井には幾つもの採光用の天窓が設けられ、日本で初めて女性向けの絵画教室を開く為に増築されたアトリエ部分との間にしつらえられたガラス窓の壁は今の建築には見られないデザインでそれは何とも居心地良い光と抜けを作り、味わい深い!現在の所有者の方から色々と説明をして頂いている間、正に夢見心地であった!!

今時の建物、内装に比べれば不便もさぞ多かろうだが、あの居心地の良さはなんだろうか?
あの空間で絵を描いたり、手紙やはがきを書いたりするのがどれほど気持ち良いのか体験せずとも想像がつく。

このブログで何度も言う様だが、便利が幸せとは限らない。

苦労が有るから工夫する。
限りが有るから大切にする。
すぐに出来ないから我慢する。
思うがままにならないから夢を見る。


これらは全てロマンに繋がる。

インスタントの様に何でもすぐ出来てしまうと値打ちも価値も分かりづらい。

最近アメリカでアナログレコードが大人気で出荷数がうなぎ上りらしい。

家でも、服でも、音楽でも、筆記具でも一手間かかる物が今は良い!
どれも大事に使う事により個性が育まれ味わい深さが増す。

今日お渡ししたお客様のスコットランドの手紡ぎ&手織りのツイードのジャケットはそんなアトリエにも良く似合う。レコードも万年筆も良く似合う!


やはり、今ロマンが必要だ!


その素敵なアトリエも今後、取り壊しになる可能性があるそうだ。残念極まりない。
現代の高層マンションやビルなんかより遥かに価値があると思うけどな〜 
日本は「作っては壊す」「買っては捨てる」文化にいつからなったんだろう?
簡単に壊す度、捨てる度にロマンも消える。 そして身勝手になる。悪循環だな〜残念。

1869年丸善創業。

1869年セルロイド発明。