万年筆な日々

万年筆にハマったファッションデザイナーの記録。

FPLL(FOUNTAIN PEN LOVE LETTER)
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2014年05月

昨日入手したペンを店頭で試筆した時に感じた筆記感は
「丸い。」
良く酒の味わいを同じ様に「丸い」と表現する事があるが、それと同じ様に紙に当たる感じが「丸い」のである。この筆記感は自分の手持ちのペンだとキャップレスデシモのMニブがこの感触に近い。

今まで筆記感を表現するのにヌルヌルカリカリサリサリ等、の表現が多く聞かれたし、自分もそれらの筆記感を味わいたくてそのペンを購入したり、調整して頂く際にその表現を使ったりしていた。

しかし、基本的に筆記感の感じ方は人それぞれ違う。

書き癖や筆圧、縦書き、横書き、右利き、左利き、書く紙の質、インク、ペンの性能、気温や湿度、気圧等の組み合わせによって違うだろうし、イライラしているとき、リラックスしているとき、酔っぱらっているとき、など心身の状況によってもきっと違うはず。
ましてや国が違う、使用する言語、文字が違えば筆記感の良し悪しは全く違うであろう。
(もちろん、これはあのクーゲルにも大いに関係があると思う。)

日本の量産での物作りはアベレージを取る事に関しては世界一だと思う。

しかし、それが万人全てに良いかと言えばもちろんそうではない。
中には味わいが無くてつまらないと思う人も数多くいるだろう。

日本の文字は基本は漢字、平仮名、カタカナの3つで近代はこれにローマ字がプラスされる。昔は縦書きが標準であったが、現在は学校、仕事場でもかなり少ない。

ましてや、当たり前だった紙に筆記して文字を記す事が今やキーボードを叩きプリントアウトに変化!下手すりゃ、キーボードも使わずコントロールレバーやフリックアクション、音声で文字を入力し、それをダイレクトに通信して相手と意思疎通している。
(もちろん、絵文字や記号も今や文字扱い!)

ちなみにスマホの文字入力をフリックで出来ないとオヤジだそうだ!!
えっ!フリックが分からない??
それはもう化石かも・・・笑

そうなると、
文字を美しく表現する事や心地よい筆記感のアベレージは変化しているのでは??
(アメリカでは既に筆記体が書けない若い人がかなり増えて来ているらしい。)

それらを追求するには、使う人の個性や感性を尊重出来てこそでは無いだろうか??
自分だけが感じる特別な筆記感の表現は万年筆の未来を考えると、大きなポイントにはならないだろうか??

先日の定例会でらすとるむ氏が披露したパイロットのカクノ改造ペンは、そう言う意味では正に時代に呼応した試みだったと思う。当たり前かもしれないが、どの改造ペンも未改造のカクノとは違う筆記感があり、ある意味書く人の個性を引き出してくれるよな感さえ有った様に思う。これはシロウさんが無印良品のペンで行なった字幅変更も同じである。

物には夢やロマンが無いといずれ飽きてしまう。

いつか、メーカー公認で改造自由な大きなペンポイントを付けた特殊ニブのペンが登場し、附属の説明書きに様々な筆記感が一覧で表現されていて、その中から自分の気になる筆記感をチョイスすると調整を施して渡してくれるなんてことになれば面白いな〜!!

皆さんならどんな筆記感を希望しますか??
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らすとるむ改造カクノクーゲル【M】何ともイイっす!!

書く事・・・それは今やロマンである!!

昨日は昼から取り置いてるブツを引き取りに!!
(あそこですよ!あそこ!黄色の手動扉エレベーター乗るとこ) 

ドアを開けると!!
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N御大テーブル前にド〜ンと鎮座!!
脇にはペリカン堂さんまで!
ワ〜〜〜オッ!!
昨日は平日なので安心しきっていた!! 
いきなりモード変換である。

そんなえも言われぬ雰囲気の中、取り置きの商品を目の前に出してくれたのでお見せすると、
「ほぉ〜キレイな軸だね。」
「イタリアは軸色がキレイだね〜。」

などと賛辞の言葉に胸を撫で下ろす!
(って言うか、そんなに緊張しなくて良いはずなのに・・・年の功とは恐ろしい!笑)

すると、またも入り口ドアがギィ〜ィ〜〜〜!!
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世界のコレクター氏参上!!

おいおい!!なんなんだ今日は!!
聞いてないよ〜!!笑


そこから濃厚な空気が漂う中あれやこれやと生まれる前の昔萬談が始まり、
(世界のコレクター氏は早々にお帰りに。)
しまいには、N御大からクーゲルの話や、腐ったインクの話など、多少毒の盛られた心拍数の上がる話が次々と出て来て、こちとら準備も心構えも無かった分
『そ〜なんですか!』
を往年の「ザ・ぼんち」の漫才の如く連発。

クーゲルに至っては調査続行の厳命が・・・
『はぁははぁ〜仰せのままに!!』
桜の紋所前のお白洲に座す気分!!
日頃のロマンも、さすがにこの日は・・・修行不足を痛感!!笑

いや〜何事も備えあれば憂いなし!!皆さ〜んお気を付けあそばせ〜〜〜笑

帰宅後、軽いレジェンドあたりでぐったり!!笑
気付けば朝となった次第!!アハ

帰りがけに買った限定のこいつでエネルギー補充致します!!
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今のところベストオブあんバターです!!
さぁ!今日はロマン復活させるぞ〜!!笑
今回でモグラ叩き確定でごわす!!ひぃ〜〜〜!!
 

Skylineの記事をアップしてちょっと盛り上がったのですが、
ここでまたWAGNER定例会レポートの続きに戻ります。

さて、レポートライブの時にも簡単に写真UPしましたが赤ずきん半さんの
ビンテージペンコレクションを再度!
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キレイですね〜まるで宝石箱の様ですね〜!!
全てMerlina(マーリン)ドイツのマイナーブランドだそうで1950年代のペン!!
私も1本だけ持っています。
アップすると、
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吸入機構はプッシュボタンフィラー。
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ピッカピッカです!!ビンテージとは思えぬこの光沢!! 本当良く集めましたな〜
更にドーン!
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100とトートイス。
tortoise=陸亀!海亀はタートル。万年筆で亀の甲羅柄の色合いに似た軸の事ね。)
漢字で表現すると・・・
「百と茶縞」何か昔話のタイトルになりそうな・・・笑
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 現行品1本も無し!!凄いですな〜!!
茶縞好き、ビンテージ好きにはたまらんのでしょうな〜
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その中でも、この端の3本が凄いらしい!!
(車1台は買えると別の方がおっしゃってました。)

うんうん、そんな気がします。
ビンテージペンショップのサイトで以前凄い値段付いていたのを記憶しています!!
(もちろんフェラーリやランボルギーニやポルシェやは無理ですよ〜笑) 

そして、そんな風に鼻息荒く皆で話をしながら見ていると、
スマートなスーツ姿の方がスーッと現れ、こんなのも有りますと
テーブルの上にコロンと・・・
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うわ〜何と金キラキンです!!
ヒィぃ〜〜〜!!
皆、思わずおののいてしまいました!! 

更にその方、ジャケットの胸ポケットに差されていたペンを皆の前に
又もコロンと・・・
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するとビンテージにお詳しい皆さんは、おぉ〜〜〜っと!!
どうやら、これも凄いらしい!!
それをケースに入れる事も無く裸で胸ポケット!!
裸で胸ポケット!?

それはもしかして・・・
ロマンだ〜〜〜!!
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この方箱も持っていて写真はわざわざ箱に入れて撮らせて頂きました!!
(この箱も相当レアらしい!!)

皆さん有り難うございます!!

もう、初心者の私には何が何だか!!笑
でも凄そうな匂いはプンプン!!(ホンマにわかってんのか〜多分わかってない!笑)

昔からポケットと言えば・・・
はい!皆大きな声で!!


あぁ〜たたいて万年筆増えるポケット欲しい〜〜〜!!
でも、同じの増えても・・・笑
今日もロマンだ〜!
 

昨日のブログでアップしたエバーシャープのスカイラインの記事に
紙様ブログで呼応してくれて、デザイナーが誰かまで判明!!
さすがです!!感謝感謝!!

何とデザイナーはHenry Dreyfuss(ヘンリー・ドレイファス)!!
本物のストリームラインの列車のデザインを手掛け、他にもポラロイドカメラや電話機、掃除機など今も評価の高いプロダクトが山盛り!!正にアメリカを代表する大御所デザイナーである!!
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ニューヨークセントラル鉄道の20世紀特急
(うわ〜まるで鉄人28号だ!!まさか、これが元か??)
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ポラロイドカメラ SX70 オォ〜見た事有るぞ!!
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日本の黒電話の元になったWE302型電話機
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まさかのアイロンまで!!カッチョイイ!!今のアイロン壊れたらこれだ!!

ラミーといい、エバーシャープといい、世界に名を馳せる大御所デザイナーが万年筆をデザインしている!何とも良い時代だな〜工業製品ロットをしっかりクリアー出来る需要があったからだろうな〜!!

今の時代にそんな大御所デザイナーにデザインしてもらったら
間違いなく目が飛び出る値段でしか出来ないだろうな〜〜〜 う〜ん残念!

一度で良いから万年筆メーカーに自分がデザインした万年筆を作って欲しいな〜
まぁ、余程の事が無い限り無理だが・・・でも、何でも諦めずに思って頑張っていると叶う事を今まで何度も体験して来ているので今回もそう思う事にしよう!!

今まで工業製品をデザインした事は無い。
まだ、万年筆に嵌り込んで1年だが、少しづつ少しづつ色々勉強させてもらっている。
この調子で5年10年経つと知識も経験も増えるだろうから、その位を目標にやってみよう!

本業は洋服デザインだが、何だか万年筆と似ている所も多々有る。

為せば成る、為さねば成らぬ何事も!!
初心忘れない為にもこの曲だ!!MYフェイバリット〜!!笑

この唄を歌っているのは何と!天童よしみ!!13歳!!まさに天才!!

う〜んまた今日もロマンが増えた!!笑
 

今朝は目覚めた直後の地震に驚いた。

阪神淡路大震災、東日本大震災、の2発を経験しているだけにあの最初の微妙な振動で大きい揺れが来るかどうか何となく分かる。今朝もすぐに愛犬を抱えて揺れに備えたが大事には至らず胸を撫で下ろした。
遠くない未来に必ず来ると言われている首都直下型の地震かと思い冷や汗をかいた。

こればっかりはどうしようもない。なるようにしかならない。

さて、そんな地震の事をこれ以上書いても面白くも何ともないのでいつも通りに!!

今日は先日の定例会で調整して頂いた1本をご紹介。
1940年代のWAHL EVERSHARP SKYLINE 14K GOLDCAPである。
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前々から欲しいと思っていた1本で、特にこの仏壇系か、
あるかどうかは分からないがシルバーキャップの物を探していた。
独特のフォルムは1930〜50年代にかけて流行したストリームラインの流れである。
ちなみにその当時の列車や車はこんな感じ!
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プリンセス・コロネーションクラス蒸気機関車「ダッチェス・オブ・ハミルトン」
(Wikiより)
おぉ〜カッチョイイ!!
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ボルチモア・アンド・オハイオ鉄道のプレジデントクラス蒸気機関車(Wikiより)
イイネ〜!!
Wikiによると、【世界恐慌による急激な売り上げ減少に直面して、アメリカの鉄道は軽量材料で製造された流線形車両に目を向けることになった。速度を出すために流線形にし、蒸気機関車ではなく内燃機関を使うことを考えた。】とある。成る程そう言う理由か〜納得!!
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ちょっと時代は違うがアルファ・ロメオA.L.F.A 40/60 HP (Wikiより)
なんと1913年!!驚きのデザインである!!多分これはただのデザインか!?空気抵抗云々よりこのタイヤとヘッドライトでは・・・笑

1940年代前半は第2次世界大戦で世界中が荒れていた時代。
手持ちの1940年代の資料を見てみるとアメリカにはこんな車が出てたのである。
勝てる訳が無かった・・・カッチョイイ!!
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真珠湾攻撃が1941年!翌年の1942年ですよ!!ビューイック!!
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1941年のクライスラー ヘッドライトカバー開閉式!!何とアルミボディ!!
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1940年のクライスラー 下のグレーはウィンザー公モデルで気筒112馬力!!
(他にも気筒143馬力も有ったらしい。ヒィ〜!!)
おっと脱線しまくりだ〜他にもカッチョイイ車山盛りである!!
(GM,FORD,DODGE,DESOTO,LINCOLN,STUDEBAKER,etc.)

車の話はさておき、肝心のペンの話に戻る。
こんなペン持って、あんな列車や車に乗ってたかと思うと・・・
間違いなくロマンだ!!
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確かに前から見ると完全にストリームラインを意識したデザイン。
それこそ今にも走り出しそうである!!いいね〜
確かオリエントエキスプレスを象ったデザインのペンがあったが、俺的にはこういう風にデザイン消化して欲しいな〜本当最近の限定物のデザインちょっと安直なんだよな〜プンプン!!
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天冠から続くクリップ形状は独特である。このクリップが堅い!!簡単には差せない!笑
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金色に輝くクリップにエバーシャープのロゴ。シンプルだが味わい深い。
√√はWahl EversharpのWを意味するのであろうが、どう見てもを2回にしか見えない。笑
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ペン先は14K。縦長の六角形のハート穴はアールデコの影響か!?
MADE IN USAがくっきりと!!
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うーんやはり良い感じだ!!軽く取り回しも良い。
軸素材はぬらぬらと光るセルロイドで吸入機構はレバーフィラー。
(現行モデルはコンバーターでちょっぴり残念。)

しかし、このペン書き味はガリガリでインクが途中で途切れ、キャップのカバーがくるくる回ると言った調子でどうしようも無かった。
今回、師匠に診てもらうとインクサック内のチューブが外れていたのを嵌めてもらい、キャップカバーのねじ山に秘密の液体を塗ってもらい、ペン先を研いでもらうと・・・

最高です!!
ありがたや〜70年の時を超えて非常に書き心地の良いペンに!! 

黒インクを入れるつもりでしたが、急遽変更!!
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インクはビンゴ大会でもらった旧エルバン!
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左が現行。右が旧タイプ。ボトルは同じだがキャップとラベルが違う。
昔の奴の方がフランスらしくていいんじゃね〜!!何でもパソコンで作るから駄目なんだな〜
色はオリーブグリーン。良い色である!!(実は欲しかった色ラッキー!!)
なので、やっぱり手書きで・・・
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こんなんでましたけど〜
by泉アツノ
今日もロマンな一日でした。
 

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